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豆知識

豆知識1

電力を表す単位にはVA(ブイエー)とW(ワット)があります。VAを皮相電力といい、Wは有効電力といいます。
VAはV(電圧)とA(電流)の積ですが、純粋な抵抗負荷であれば電圧と電流の位相(電圧のサイン波にたいして電流波形がずれること)がズレないためにVA=Wとなりますが、ほとんどの場合はモーターの様なコイルを使用した負荷やコンデンサを使用した負荷のため、電流の位相は電圧とは一致しません。このためにVA≠WとなりW/VAを力率といいます。
VAは見掛けの電力ともいわれ、実際の電力はWで表します。
白熱電球や電熱器(ヒーター)は抵抗のみで力率は1でVA=Wとなります。
コイルに流れる電流は電圧より90°遅れた位相となり、コンデンサに流れる電流は電圧より90°進んだ位相となります。実際の負荷ではこれが複合的に構成されおり、モータを使用した機器では、力率が0.85程度となります。
また、VA-Wを無効電力といい、電力消費にはならず、電源に戻されます。
しかし、配線には皮相電力分の電流が流れる為、電気系統の機器やブレーカーはVAの皮相電力で設備しなければなりません。
電力会社としては力率が1であれば、有効電力のみを送電すれば良い訳で設備が有効に使われて経済的となります。力率改善が要求されるのはこのためで、モーター等が多く使用される工場などでは、進相コンデンサを受電設備に取付て力率を1に近づけています。 この進相コンデンサに流れる電流はモータ等のコイルに流れる遅れの電流を打ち消す進みの電流で、有効電力には影響しませんが、力率を改善することにより、電気料金で優遇されることもあります。

豆知識2 正弦波と矩形波(方形波とも言う)

商用電源の交流波形は正弦波です。
正弦波はサイン波とも言いsinθで表す通りその値は常に変化してsinπ/2 (90°)およびsin3π/2 (270°)の時最大値となり、実効値の√2倍の値でこれが波高値となります。
AC100Vの場合波高値は141.4Vとなります。最大値/実効値を波高率といいます。正弦波の波高率は1.414となります。
一方、矩形波といわれる直流を交互に極性反転する波形の場合は最大値=実効値で波形率は1となります。
また、矩形波をパルス幅制御して定電圧としている矩形波の場合は波高値によりパルス幅を変化させています。周期Tは一定の為、波高値0期間が変化します。